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米国東部のデラウェアで2024年9月21日、日米豪印による枠組み「クアッド」の首脳会議を実施する4カ国の首脳。左からインドのモディ首相、バイデン米大統領、オーストラリアのアルバニージー首相、日本の岸田文雄首相(当時)=ロイター

 中国やインド、ブラジルなどの新興国グループ「BRICS」の首脳会議が22~24日、ロシアで開かれる。欧米が主導する国際秩序に対抗しようと、中ロは加盟国の拡大に動く。一方で、欧米とも接近するインドは、自国の利益を図ろうと、バランス外交を展開している。

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 ベンガル湾を望むインド東部のビシャカパトナム。海軍の拠点もあるこの港湾都市周辺で10月8~18日、日本の海上自衛隊と米国、オーストラリア、インドの海軍による海上共同訓練「マラバール」が行われた。

 参加した国の関係者によると、各国は艦船や航空機などを派遣し、数千人が参加。燃料の補給や射撃訓練、対潜水艦の戦闘を想定した演習などを実施した。

 名指しこそしないが、各国が念頭に置くのは、インド太平洋地域で影響力を増す中国の存在だ。

 インド海軍の東部海軍司令部のペンダルカル司令官は記者会見で、「訓練は特定の国に対抗するものではない」と述べつつ、「海洋領域の多くの脅威への対応は、一国だけでは不可能。常に協力的なメカニズムを持つことが重要だ」と訴えた。

「4カ国の結束を示す機会」

 自衛艦隊司令官の大町克士海…

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